持久力を鍛えることを考えた場合、先に挙げた二つのアプローチ(最大値を増やすことと消耗量を抑えること)を両輪としてトレーニングメニューを考えることが非常に重要です。
しかしながら、その人の競技レベルによって、どちらにどの程度重点を置くべきかは多少違ってきます。

まず、初心者レベルから中級者レベル程度(目安として競技をスタートしたレベルからギルトレスである程度シュレッドが続く程度のレベルまで)においては、何よりもフットバッグの練習を行う事を重視すべきです。
フットバッグの練習を行う事である程度最大値を増やす効果がありますし、消耗量を減らすというアプローチはフットバッグを練習する事でしか取り組めません。
特に動きの未熟な段階においては想像以上にエネルギーを消耗する(燃費が悪い)ので、早急にエネルギーの消耗を抑える必要があります。

また、無駄な力が入っていたり理にかなっていない動きを強引に行っている場合には、疲れやすいのみならず怪我をする可能性も非常に高くなるので、その面からみても動きを洗練させることは最優先課題となります。この動きを洗練させられるかどうかという点が、多くのスポーツにおいて初・中級者と上級者を分かつ壁になっていることがほとんどです。

ランニング等のフットバッグの練習外の持久力トレーニングは、フットバッグの練習を行わない日にやるか、フットバッグの練習を終えてもある程度余裕がある日にやる位で十分だと思います。ただし、有酸素運動的な持久力を身に着けることは疲労の回復にも大きく寄与するので、可能であれば早い段階から取り組んでいるとより効果的な練習を行う助けとなるでしょう。このことについては、運動生理学的な説明もある程度交えないといけないので、また別の記事で詳しく説明したいと思います。ただし、絶対にフットバッグの練習時間を削ってまで専門的な持久力トレーニングを行うという事は無いようにした方が良いと考えられます。

さて、中級者を抜け出すかどうかといってレベルからから上級者にかけて(ギルトレスのシュレッドがある程度安定してできるレベルから、ギルトレスかつジャニュインのシュレットが大半を占めるようなレベル)は、専門的な持久力トレーニングを行う事を視野に入れる必要があるでしょう。なぜならば、技術が高くなり動作が洗練されるとただフットバッグの練習を行うだけでは特定の面において運動強度が不足し、持久力の最大値を増やす効果が頭打ちになってしまう可能性が高いからです。これについても先ほど言及した別記事で説明することとして、とりあえず先に進みます。

専門的な持久力トレーニングの例としては、長距離走(5km~10kmを心拍数140~160程度のペースで走るくらいの強度)、インターバル走(100m~200m程度)あたりが有力なトレーニングとして考えられます。また、フットバッグの練習自体でも工夫を凝らせば、持久力を鍛えることにウエイトを置いた練習にすることは可能です。これについては他にも様々な方法が考えられますが、それらについては別記事で紹介したいと思います。

ただし、ここで絶対に間違えてはいけない原則があります。
それは、「フットバッグ自体の練習量をフットバッグ以外のトレーニング量が超えてはいけない」という事です。
筋力トレーニングや持久力トレーニングは、最初は辛く中々取り組みたくないという人が大半だと思います。
しかし、ある程度トレーニングを積むと、自分の体に結果が反映されるのが嬉しい、人によっては快感にすら感じてしまうようになってくる場合があります。
特に、ウエイトトレーニングや持久力トレーニングは、技術的な上達とは違ってほぼ漸進的な上達が見込める、言い換えればやった分だけ確実な効果が期待できるので、なおさらです。
もちろんそれ自体は悪いことではないんですが、これが行き過ぎると「トレーニングマニア」になってしまう人が少ないながら存在します。
自分の体を鍛えること自体が目的になり、何のために鍛えているのかを忘れてしまっているのです。
挙句の果てには、本来の自分の競技(ここではフットバッグ)の練習を犠牲にしてまでトレーニングを行うという本末転倒な行動をとる者すらいます。
こうなると、過剰に筋肉を付けたり、目的とは別種の持久力を身に付けてしまう恐れが非常に高くなります。
極端な例を挙げれば、フットバッグを行うに当たり150kgの重さでベンチプレスが出来る必要はないし、フルマラソンを2時間10分で走れる持久力も必要もないという事です。

確かに専門的なトレーニングを積むのは良いことではありますが、常にフットバッグそのものの練習が最優先であるという意識は忘れずに持つ必要があります。
そして、フットバッグ外のトレーニングはあくまでフットバッグの競技力を高めるために行っているのだという事を忘れてはならないのです。