さて、嫌気呼吸と好気呼吸について説明してきました。
ここで勘違いしてはいけないのは、無酸素運動だから嫌気呼吸だけ、有酸素運動が好気呼吸だけ働いているわけではないと言いう事です。
運動の種別によってどの仕組みが優位になるかという事であり、どれか特定の仕組みだけが働いているという事はほぼ0と言ってよいです。

これらを踏まえた上で、持久力を身に付ける為にはどうしたらよいでしょうか。
まず、嫌気呼吸的な持久力の話からしましょう。

まず、嫌気呼吸にはATP-CP系と解糖系があると述べましたが、先にも書いた通り解糖系まで含めてもせいぜい30秒~40秒程度しか保ちません。しかもこれは厳しいトレーニングを積んだ人の話で、そうでない人は20秒保てばよい方でしょう。つまり、嫌気呼吸的な運動であっても持久力はあるわけです。人によってはスピード(短距離的スピード)の持久力と呼んだりもします。
先の説明にのっとって言えば、「解糖系やATP-CP系でエネルギーを生産できる能力の高さ」と言う事が出来ます。これを鍛えるためには、「40秒程度全力で動く」トレーニングを繰り返すしかありません。一般的な体力(持久力の間違いじゃないよ)レベルの人ならば、最初は20秒全力で動くのがやっとの人が殆どでしょう。200mを最後までスピードを維持して走りきれない感じですね。
ですので、トレーニング方法として200m走からまずは開始し、スピードが維持できるようになれば300m走に伸ばすとよいでしょう。
運動強度的に200mでもかなり厳しい(100mたどり着く前に急激にスピードが落ちる)人は、100mから開始しても良いと思います。なお、このとき「最初から200m保つように計算して走る」のは全く意味がないので注意しましょう。あくまで、最初から全力で走って200m走り切ろうとすることが大切です。
因みに、400mの世界記録ですら40秒よりかなり遅いので、300m全力で走るという距離がトレーニング上限として考えて良いでしょう。
というか、300mを40秒で走りきれるのなら相当に速い部類に入ります。

フットバッグに置き換えて考えると、シャッフルが多めのジャニュインのシュレッド、あるいはトリプレスやフィアレスのシュレッドがここに相当すると思います。
ですので、フットバッグ自体で嫌気呼吸的な運動の持久力トレーニングを行う事を考えると、シャッフルオンリーのシュレッドを40コンタクトというのが一つの例になるでしょうか。もっともこれには、技術的な課題も大きく絡みますが……
しかし、それより低い強度になるとなかなか嫌気呼吸優位の運動になりにくいので、フットバッグでこのトレーニングが出来る人は上級者以上になってしまうでしょう。

また、たとえ上記のような練習がこなせる上級者でも、強度としては300m全力走に近づけることはかなり難しいので、フットバッグ以外のトレーニングにも取り組むことを考えた方が良いでしょう。

加えて言うと、この持久力がシュレッド30のパフォーマンスに直結しますので、そういった意味でも非常に重要なトレーニングになるでしょう。
因みにこのフットバッグでのトレーニングを行う時、ドロップしても止まってはいけません。即座に拾い40コンタクトまで何としてでもたどり着きましょう。
勿論ノーミスが理想ですが、ミスの度に止まっていてはトレーニングになりません。とにかく40コンタクト(40秒)動き続けましょう。

中級者くらいまでは技術的な面からフットバッグで嫌気呼吸優位な運動の持久力トレーニングを行うことはかなり難しいので、フットバッグ外でのトレーニングで鍛えることを考えた方が現実的です。もっとも、中級者以下では技術の獲得や動作の洗練などの重要度が圧倒的に高いので、そこまで気にする必要はないかもしれません。あくまでそれらを優先しながらも、早めに準備しておきたいと考えるならば、支障の出ない範囲で取り組むくらいで十分だと思います。

 
上で書いたようなトレーニングを繰り返すことで、嫌気呼吸優位な運動の持久力を身に着ける事が出来るでしょう。なお、このタイプのトレーニングを行う場合、1回1回のトレーニングの間に休憩をきちんと設けることが大事です。少なくとも息が整うくらいには間を空けないといけません。「全力で動く」事が出来ないと意味がありませんので。
かなり記事が長くなったのと、好気呼吸的な持久力についての解説もかなり長くなるので、次回の記事に続きます。