今回は好気呼吸的な持久力の話です。一般的な方が持久力と言われた場合ほぼこの持久力を想像するでしょう。
以前に持久力は最大値を増やすことと消耗を抑える事に分けて考えました。こちらのうち、最大値を増やす部分に当たります。それを今回は、好気呼吸によるエネルギー(ATP)生産という観点から考えます。
大事な能力は二つあり、「酸素を体内(細胞内)に取り込む能力」と「酸素を用いてATPを生産する能力」に分けて考えられます。

(1)酸素を取り込む能力
こちらは読んで字のごとくですが、好気呼吸によりエネルギーを生産したいならば、各細胞にきちんと酸素が供給されなければなりません。
この能力が低いと細胞に酸素が供給されず、低い運動強度ですらすぐに嫌気呼吸優位になってしまいます。
分かりやすい症状としては、すぐに「息が切れる」という事でしょうか。
ですので、この能力を鍛えることを心肺機能の強化と言う事も良くあります。
これは更に分けると、「肺が酸素を取り込む能力」と「取り込んだ酸素を各細胞に運搬する能力」に分けられます。
前者については肺機能に高い負荷をかけることで鍛えることが出来ます。インターバルトレーニングはその代表と言えるでしょう。
酸素を運搬する能力については、更に心臓の能力を鍛えることと血液による酸素の運搬能力そのものを鍛える事が挙げられます。
心臓の能力については肺の能力を鍛えることとほぼ一緒のトレーニング内容となり、インターバルトレーニングなどで鍛える事が出来ます。
もっとも、インターバルトレーニングと言っても多くの種類がありますが、何が適しているかは別記事で具体例を紹介します。
血液による酸素運搬能力について鍛えることはかなり難しいです。一応、マラソン選手が行う高地トレーニングはその代表と言えるでしょうか。
高地トレーニングはあえて酸素が薄い状況下でトレーニングすることで、血液中に含まれる赤血球の酸素と結びつく能力を高める、あるいは赤血球の数自体を増やすという効果を得るというのが、そのトレーニングの根拠となっています。
但し先にも言った通り一般的なトレーニング手法として現実的でないので、心肺機能を鍛える方法をトレーニングの中心に据えることとなるでしょう。

(2)酸素を用いてエネルギーを生産する能力
どんなに酸素が上手く供給されても、それを用いてエネルギーを生産する能力がおいつかなければ嫌気呼吸優位に傾いてしまいます。
そうなると結局は長い運動が続けることが不可能になります。
この能力は好気呼吸がミトコンドリアで行われることから、ミトコンドリアの能力などと言ったりもしますね(あまり一般的ではないですが)。
こちらの能力は、一定の強度の運動を長時間行う事で鍛える事が出来ます。
心拍数140~160程度の運動を少なくとも30分以上、なるべくなら1時間あるいはそれ以上行う事が良いとされています。

 

さて、好気呼吸によるエネルギー生産という観点から持久力について考えてきました。
上記のことを考えると、インターバルトレーニングのような心肺機能に負荷をかけるトレーニングだけでも、ランニングのような長距離走だけでも十分でないことが分かります。
どちらも重要なトレーニングであり、両方をバランスよく行っていかなければならないでしょう。
おそらく、フットバッグを行うだけでは、特に上級者においては十分な負荷を得られなくなることが多くなるでしょう。
心肺機能に負荷をかけるという面では、単純に強度が不足します。
そのことを考慮した内容の練習を行えば負荷をかけることは可能ですが、そういった練習だけではなく技術習得をメインとした練習も行わなければならない為、どうしても毎回高い強度の練習を行うことは難しいでしょう。
また、酸素を用いてエネルギーを生産する能力については、フットバッグ自体がペース変化が激しくまた長時間一定の強度で行うような練習でもない(嫌気呼吸優位に傾きやすい)ことから、こちらの面で鍛えることはあまり現実的ではありません。もっとも、この能力がかなり低い段階にあるならば一定程度の改善が期待出来はしますが。

そんなわけで、やはりフットバッグの競技者としてパフォーマンスを高めていくうえで、フットバッグの練習だけを行っても限界があると思われます。当然フットバッグの練習が最も多いように練習(トレーニング)メニューは組むべきですが、フットバッグを行う以外のトレーニングも行う必要があるでしょう。

フットバッグの運動特性を考えればある程度トレーニングメニューは絞り込めますが、具体的な例についてはまた別記事で書きたいと思います。