これまで人の代謝を中心に持久力について説明してきました。高校で習う科目の生物や生理学、運動生理学などに興味が無い人にとっては退屈だったかもしれません。ですが、それでもあえてある程度の記事を取って説明したのはきちんと理由があります。

 それは、結局のところスポーツに限らず人の活動の根幹は、いかにエネルギーを生み出すかと、そのエネルギーをどう扱うかに尽きるからです。練習内容の決定、長期的なプランニング、練習外の専門的トレーニングの考案、休息日の設定、クールダウンの意義など等。ありとあらゆるところでその考え方の基にあるのは人の代謝の仕組みなんです。ですので、代謝の仕組みを知っていれば「何故そうするのか?」という事が理解しやすくなりますし、自分で考える際にもさまざまな応用が利くようになります。何かアクシデントが有ったり、あるいは計画や練習内容を見直さなければならない場合などにも、やはり代謝の仕組みを知ると知らないでは大きな違いが出ます。勿論それは、専門家のように細かい所(各物質の化学式や化学変化式等)まで知る必要はなくて、大まかな仕組みを知るだけで十分です。

 私がこれから書いていく内容も、私の特に大学時の経験から得られた知見(いわゆる経験則的なもの)が多く含まれますが、それらは人の代謝の仕組みに照らし合わせて合理的であったものを中心に書いていく予定です。勿論それらを書いていくときになるべく代謝的な側面からの解説を行おうとは思ってますが、そういう解説のみだとどうしても体系的な知識を得難いので、最初にある程度説明したわけです。これで興味が出た人は、生理学や運動生理学について学んでみることをお勧めします。やはりこういった知識については専門書にあたる事が最善ですし、これらの知識を得ることはスポーツだけでなく生きていくうえでとても役に立ちます。

 身近な例で言えば、例えば世にはびこる様々なダイエット法について、そのほとんどを馬鹿らしいと切って捨てることが出来るようになったりします。また、結果にコミットするで有名な某社の手法について、何故あれだけの結果を出せるのかについての理由と、あまり語られない注意点についてある程度推測できます(実際に通ったわけではないので伝聞による推測です)。更に、最近やたらとはやりの抵糖質ダイエットですが、あれはアスリートにとって百害あって一利なしだという事もすぐにわかります(ちなみに一般人にとってもほとんど利はありません)。

 余談ですが、抵糖質ダイエットについては何冊か解説書を読みましたけど、理論的な裏付けはこじつけに近い物がかなり多く、理論の飛躍も多々あり、更にその効果についてはあまりにずさんなデータでしか語られない、ひどい場合には著者一人の経験談でしかないというお粗末なもしかありませんでした。その時点でもう新たに情報を探す気が失せてトンデモ理論の類に分類したんですけど、もしきちんと説得力を持った本があればご紹介いただけると幸いです、とにかくこれはアスリートにとってはあまりに危険なしろもので、いないとは思いますが万が一これを実践した場合、パフォーマンスの低下で済めばましな方です。もしそれでも継続するとけがの誘発、オーバートレーニング、慢性的な疲労の蓄積による障害の発生等、致命的な事態を引き起こすことが懸念されます。ですので、これについてはまた詳しく取り上げる予定です。

 脱線したので話を戻しますが、人の代謝の仕組みを知ることは、繰り返しますがとても大切なんだという事です。これを読んだ人が、なるべく人の代謝について知る、あるいは興味を持ってもらえることを願います。

 次回以降は練習のプランニングについて書いていこうと思っていたのですが、予定を変更して練習の量と質の関係性についてを先に書きたいと思います。どうも、これを先に書いた方が後々の記事についても飲み込みやすくなると感じましたので。このテーマは体育会のテニス部に所属していた時からずっと考え続けているテーマで、それなりに思い入れがあるテーマでもあります。そのため、書きあがった下書きがとにかく長い。多分ですが、そのまま載せたら記事5~6回分かそれ以上の長さになっている気がします。もう少し内容はブラッシュアップするつもりですけど、多分そんなに短くできない気がします。まあ、結構好き放題言ってるような気がしないでもないですが、興味がある方はお付き合いください。