特徴:phasing gyro、flux、grifter等を始めとするトリックの多彩さ、身体使いの上手さ
 個人的に、体の使い方の上手さという面においては、Jorden Moirが最も優れていると感じます。多種の変わったトリックを動画に収めていることからやや色物的な見方をする人もいるようですが、全体的に非常にレベルの高い選手です。
 あまり人がやらないトリックにチャレンジすることが多く、monster系統、swivel系統、double ducking、triple spinning、warpセット、merlin系統、double illusionセット、pdx quantumセット、shooting swirlingセット、whirring set、gyro whirlingセット、gyro barragingセット、gyro swirlingセットなど、挙げればきりが有りません。ですが、それらにチャレンジしていることを除いて普通のシュレッドを見ていても、体の使い方が上手いなあといつも思います。
 安定性という面では世界のトップレベルの中では一歩ゆずるようにも感じますが、技術の高さという面では世界屈指だと思っています。
 あと、3バッグを動画に収めた選手はJordenしか見たことが無いのですが、他にいますかね?
 また、phasingについてはVasekとJordenが私はもっともレベルが高いと思っているんですが、様々なトリックを動画に収めているという面ではJordenがより参考になるでしょう。特にphasing gyro torquやphasing miraging butterflyはJorden以外で動画に収めている人を見たことが有りません。
 flux、grifterについては多用する人が非常に少ないのですが、Jordenは数少ない例外の一人です。特に上位の技術やsymposium、sympleとの組み合わせはほぼJorden位しか動画に収めている選手はおらず、他で収録しているのはVasek位でしょう。

Jorden Moirの身体操作についての考察
 身体操作が優れていると言っても、あまり分析等に慣れていない人にはかなり漠然とした言葉かもしれません(私も最初はそうだった)。
 まず、彼の身体操作の基盤にあるのは以前Johny Sudermanの解説で紹介した身体感覚の分離が非常に優れているという事です。そして、Jorden Moirはその分離している身体を其々干渉させずに操作することに長けています。
 例えばFlux(Reverse Torque)は殆どの人が出来る・出来ないにかかわらず動き難さを感じるはずです。これは、デックスする足の動作方向とOsisの回転方向が逆なために感じる動き難さです(動きが反発する)。そして、もし脚部と体幹の分離が出来ていなければ、デックス足の運動エネルギーが体幹に多く伝わってしまい、回転すべき方向に体を回転させられなくなります。
 脚部と体幹部の感覚の分離が進めば進むほどこの動き難さは解消されていきますが、そもそも相反する動きをつなげる以上動きやすいと感じるまで至る事はかなり難しいと思います。
 また、Symposium Fluxは最初は殆どの人がどう動くかすら分からないと感じるはずです。これはFlailを行った後にOsisの為に身体を回転させなければならないからです。FlailはSymposium系統のトリックの為に必ず身体が空中に浮きます。その状態からOsisに移行するには、体幹部を独立して動かす感覚が不可欠です。
 もし普段Osisは出来るけど空中でOsisへの移行が出来ないという人は、普段のOsisを体幹主体の動きではなく脚部主体の動きで回転している可能性が非常に高いです。つまり普段地面を蹴って回転しているために、地面を蹴れない空中では回転できなくなってしまうという事ですね。
 加えてSymposium Fluxは通常のFluxよりも更に厳密な脚部と体幹部の分離が求められます。Fluxではある程度分離が不完全でも軸足で壁を作り反対方向への回転を抑える事が出来ますが、デックス足と反対の足も同時に空中に浮くSumposium Fluxでは壁を作る事が極めて難しいからです。
 唯でさえOsisの回転動作が難しいのに、更に脚部の運動エネルギーが体幹部に伝わり易いので、身体操作の難易度が相乗して跳ね上がってしまうのです。
 そして、Jordenはこれらの動作を全て高レベルでこなすために、Symposium Fluxをクリーンに安定して出来るのです。これはあくまで一例ではありますが、他のトリックを見ていてもJordenは身体感覚の分離と各部位の操作において非常に高い技術を持っていると感じます。
 特に、トリックの性質上身体のいくつかの部位を其々分離して動かさなければならないトリックにおいて、互いになるべく干渉させずしかしトータルで見れば一つの動き(トリック)としてまとめる能力は目を見張るものが有ります。
中でもBlurry Whirling Motor(stepping pdx whirling swirling monster)はその粋を集めたトリックだと言えると思います。

Huge Tricks 2 – Jorden Moir (2007)

高難易度のトリック集。一部ドリルやシュレッドも。Phasing gyro torqueやwhirring butterfly等が見られます。

Jorden Moir – Todexon Final, 4th place

確か2009年のTodexonです。競技として見るならば評価は低くとも、パフォーマンスとはという視点で見たときに、示唆に富むフリースタイルです。

Matt Cross Footbag – 20080729 Driveway Session

Matt Crossと二人のシュレッドですが、ほぼJordenメインの動画。最後の方でGyro Nemessisが見られます。

Jordan Moir in CPH

Jordenらしさが詰まっています。ducking divingやdouble divingなど。

Fourth Park Session

動画の最後でGyro Baroque Screwが見られます。

Globalfootbag – Todexon8 07 (Jorden Special)

2007年の動画1:14あたりでやっているトリックがBlurry Whirling Motorです。ほかにも見どころが多い動画です。

Jordenは以前非常に多くの動画を作成し公開していたはずなのですが、現時点において多くの動画が削除されてしまっているようです。そのために、最も紹介したかった動画のRequest Session 2やEnd Session、Huge Trickが紹介できませんでした。公開されていた時期は2006年前後ですが、私が記憶する限り2009~2010あたりまでは存在していたはずです。ですので、ある程度昔からやっているシュレッダーに動画を持っていないか聞いてみるのも手かもしれません。
あと、triple spinning clipperを収めている動画もあるのですが、こちらも探せませんでした。