さて、FaceBookのフットバッグコミュティで話されていた、Symposium系統のデックスの際に跳ぶ・跳ばないということについてちょっと書いてみようかと。
因みにこれは、かなりの部分を筑波大学体育専門学群時代に学んだ知識に基づいて書いてはいますが、個人的な感覚に基づく所感もあるため、あくまで一個人としての意見として読んでいただくようお願いします。

さて、跳ぶという動作(以降跳躍動作と表記)について考えるときに大切なことは、「反作用の力」で跳躍動作を行うということです。例えば垂直跳びは、足を曲げ伸ばしすることで地面に力を伝えその反作用で生まれる上方向の力で跳躍するのであり、走り幅跳びでは最後に力強く踏み切ることでその反作用により発生する上方向の力を、走ることで生み出した前方向の力に合成します(結果斜め上に跳躍する)。

これらを踏まえて、フットバッグにおけるSymposiumのトリックについて考えてみましょう。
Symposiumのトリックで厄介なのは、デックスする足が直前まで軸足になっており体を支えているということです。どうにかして軸足を、体を支えるという働きから開放させねばなりません(そうしないとデックスに移れない)。その解決手段として、跳ぶ・跳ばないが出てくるのです。まずは、跳んで解決する方法について考えてみましょう。なお、トリックとしてPS Whirlで考えていきます。

PS Whirlの一連の動作としては、
Clipper(この時軸足は左足)→Set(Set後に軸足を右に踏み変え)→Whirl(この時体は空中)→Clipper(Clipperの直前に着地)
となります。この場合、軸足を右に踏み変えた後に右足で地面へ力を伝え跳躍し、デックスを行うことになります。この時問題になるのは、跳躍するための足の動きと、デックスするための動きが逆になってしまうということ。つまり、跳躍は股関節や膝関節を屈曲させた状態から伸展させて力を生み出しますが、デックスは動作の最初は股関節や膝関節を屈曲させなければならないということです。
全く逆の動作を連続で行うわけですから、当然切り替えにタイムラグが生じます。それは、跳躍する力を大きくするほどタイムラグも長くなるでしょう。これが、「跳躍すると動作が送れる」原因になっていると思われます。では、跳躍せずに軸足を開放することは可能なのでしょうか?

軸足を体を支える役割から開放しなければならないので、上方向の力は絶対に必要です(注1)。しかし、足の伸展による跳躍動作を行ってはいけないのなら、上方向の力はどこから生み出せばよいのでしょうか。
これを考える際に大事なのが、先にも書いた「跳躍動作は地面に力を伝えその反作用で上方向の力を生み出している」ということです。つまり、何らかの下方向への力さえあれば、足(股関節や膝関節)の伸展により力を生み出さなくてもいいはずです。ここで利用するのが、「自分の体が落下するエネルギー(重力による位置エネルギー)」です。

PS Whirlで軸足が左足から右足に移る際に、殆ど跳躍とは言えませんがわずかに跳んでいる(両足が地面から離れている)のが見て取れます。つまり、そこで「体が落下するエネルギー」が生まれているのです。これを上手く活かすことができれば、作用と反作用の法則により上方向の力が得られることになります。まあ、落下エネルギーの反作用だけで跳び上がることはかなり難しいので、実際には多少足の伸展による力を足してはいると思いますが、この足の伸展による力を限りなく少なくするのが理想だということだと思います。

ここまで長々と書いてきましたが、理屈が上記の様なものだったとして、じゃあどうすればいいの?という面に関しては、意識すべきは2点あると思います。
まず1つ目は足で地面を押す(蹴る、ジャンプする)のではなく地面に跳ね返される様な意識を持つこと、2つ目は軸足の踏み変えからデックスに移る際の接地時間を短くするよう意識する事です。後者については、強くジャンプしようとするほどに接地時間が長くなる傾向があるので、接地時間を短くするよう意識すれば逆説的に地面を押そうとする動作を少なくできるのでは無いかということです。
なお、これらの感覚的なものを表現するのは難しく、人により表現方法も様々でしょう。「跳んではいけない」というのは、あくまで感覚的な面から見た表現だと私は思っています。また、このことを「跳ぶのではなく浮く」と表現することもあり得ますし、「跳ぶのではなく弾む」と表現するのもありなのではないかと思います。この辺りは、自分でしっくり来る感覚を試しながら探るしか無いでしょう。

軽い気持ちで書き始めたのに、気づくとかなり長くなってしまいました(笑)。因みに、反作用を利用するという発想は、今回のケースだけではなく、フットバッグ全般において非常に重要になる考えだと思っています。この事については、又機会があればいずれ書いてみたいと思います。

 

注1)実際問題として、上方向への力を働かせずに軸足を開放することは不可能ではありませんが、その場合単に体が落下するだけで今回のケースでは全く役に立たないため除外して考えます。